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通常兵器でイランに勝てないイスラエルは核兵器を使うのか 《櫻井ジャーナル》 - 七転八起 Shichitenhakki

2026/10/31 (Sat) 13:54:08

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202610310000/





 アメリカ政府は近くイランを攻撃すると伝えられている。もし本当に攻撃した場合、イランは西アジアにあるアメリカ軍の基地やイスラエルを激しく報復攻撃する可能性は高い。その報復攻撃はこれまでの報復攻撃を上回るものになることは確実だ。アメリカ政府はイスラエルの防空システムを増強しているようだが、これは機能しない。通常兵器の戦闘でアメリカやイスラエルがイランに勝つことは不可能だ。

 イスラエルは核兵器を保有している。アメリカやソ連を含む何カ国かはそうしたことを知っていただろうが、内部告発という形で公にしたのはモルデカイ・バヌヌだろう。この人物は1977年8月から約8年間、技術者としてディモナの核施設で働いていた。1987年10月、イギリスのサンデー・タイムズ紙がバヌヌの話を写真つきで掲載、イスラエルが保有する核弾頭の数は150から200発、しかも水素爆弾を保有し、中性子爆弾の製造も始めていたという。

 後にカーターはイスラエルが保有する核兵器の数を150発だと推測、イスラエルの軍情報機関ERD(対外関係局)に勤務、イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経歴を持つアリ・ベン-メナシェによると、1981年時点でイスラエルがサイロの中に保有していた原爆の数は300発以上。水爆の実験にも成功していたという。(Seymour M. Hersh, "The Samson Option", Faber and Faber, 1991)

 ベン-メナシェによると、イスラエルの情報機関は早い段階でバヌヌに関する調査を開始、彼が実際にディモナで技術者として働いていたことを確認している。

 バヌヌは写真を携えてオーストラリアへ向かい、ジャーナリストのオスカル・ゲレロと知り合う。そのジャーナリストがバヌヌの写真を地元の「シドニー・モーニング・ヘラルド」に持ち込むのだが、記事の掲載を断った。

 ところが、同紙はゲレロが持ち込んだ話をオーストラリアの対内情報機関であるASIO(オーストラリア安全保障情報機構)に伝え、その情報はさらに対外情報機関のASIS(オーストラリア安全保障情報局)へと伝わった。イスラエルへその話を知らせたのはこのASISである。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙と同じ系列の「ザ・エイジ」にも掲載を拒否されたゲレロはロンドンに向かい、デイリー・ミラー紙に持ち込むのだが、ベン-メナシェによると、同紙の国外担当編集者のニコラス・デービスはイスラエルのエージェント。ゲレロは自分からイスラエル情報機関の網の中に飛び込んでしまったわけである。

 しかし、ゲレロはデイリー・ミラー紙へ持ち込む前、サンデー・タイムズ紙と接触していた。同紙は記事を掲載する方向で動き始め、バヌヌはロンドンへやって来る。

 それを知ったイスラエルの情報機関であるモサドのロンドン支局長はイギリスで国内を担当している治安局(MI5)にイスラエルが安全保障上の問題を抱えていることを伝えてバヌヌ監視の協力を要請、MI5はイギリス国内で政治的、あるいは外交的問題を引き起こさないという条件で協力を約束した。

 情報機関側がバヌヌの宿泊場所を特定することは容易だった。ニコラス・デービスがサンデー・タイムズ紙の友人から簡単に聞き出すことができたのである。

 モサドはバヌヌをロンドンで拉致して航空機でイスラエルへ連行したかったのだが、MI5との約束があるためイギリス国内で問題を起こすわけにはいかない。そこでバヌヌをイタリアのローマにおびき出す。そして登場してくるのが「シンディ・ハニン・ベントフ」なる女性だ。

 シンディは散歩中のバヌヌに何気なく話しかけてパブに誘う。デートを何回か重ねた後、彼女はバヌヌに対し、ローマへ旅行しないかと持ちかけ、彼はローマ行きを承知する。バヌヌをローマで彼を待ちかまえていたのはモサドのエージェント3名。ローマで大きな箱に押し込められたバヌヌは船でイスラエルのアシュドッドに運ばれるが、外交特権で箱が調べられることはなかった。バヌヌは1988年3月に懲役18年の判決を受けている。サンデー・タイムズが記事の掲載を決定したのは1986年10月5日、バヌヌが拉致された数日後のことだ。

 イスラエルがイランに対して核兵器を使用すれば多くのイラン人が殺され、国土は放射能に汚染されるだろうが、体制を転覆させることはできず、報復攻撃を防ぐこともできない。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、イスラエルを作り上げたのはイギリスの寡頭体制。帝国主義者とも言える。その帝国主義者は19世紀からロシアや中国を征服し、富を奪おうとしてきた。アヘン戦争を仕掛けたもの彼らだが、陸軍が弱体なため、中国(清)を征服することはできなかった。彼らの代理人を務めることになったのが明治維新後の日本にほかならない。

 その帝国主義者人脈はソ連消滅後にロシアを制圧するが、21世紀に入ると再独立に成功した。そこで帝国主義者はロシアを再征服するためにNATOを東へ拡大、ユーゴスラビアを破壊し、2014年2月にはキエフでクーデターを実行、彼らはウクライナ人を代理人としてロシアとの戦争を開始する。

 当初、ロシアは動かなかったが、2022年2月にロシア軍がウクライナに対するミサイル攻撃を開始、すでに代理軍だったウクライナ軍は壊滅状態で、ネオ・ナチが前面に出ざるをえなくなっている。NATO軍がロシア軍と直接戦わざるをえない。しかもNATO軍の敗北は決定的。アメリカはイスラエルへ防空システムを供与しているものの、ウクライナには渡せない。ウクライナは見切りをつけられた。NATOに参加しているヨーロッパ諸国はバルカン半島の周辺に新たな戦線を築くつもりだと考える人もいる。

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