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検事「ぶっ殺すぞ、おまえ!」自白させるため、怒鳴るほど上司に褒められた…検察の(東京 - 七転八起 Shichitenhakki

2026/10/22 (Thu) 11:30:05

検事「ぶっ殺すぞ、おまえ!」自白させるため、怒鳴るほど上司に褒められた…検察の独りよがりな「理屈」:東京新聞デジタル
https://www.tokyo-np.co.jp/article/523001





〈揺らぐ検察〉=①

 大阪地検特捜部が手がけた事件の取り調べで暴言を吐いたとして、特別公務員暴行陵虐(りょうぎゃく)罪に問われた現職検事の裁判が大阪地裁で進む。東京地検特捜部の事件でも同様の裁判が予定され、現職検事が相次いで刑事責任を問われる異例の事態となっている。一線を越えた取り調べはなぜ、絶えないのか。関係者の証言や法廷でのやりとりから探る。

◆「何が何でも割らなければ」…気づいたら大声で

 気づいたら大声で怒鳴っていた。「ふざけんな、この野郎!ぶっ殺すぞ、おまえ!」。すぐに正気を取り戻し、机に頭をつけて容疑者にわびた。

 2001年3月、佐賀地検の検事だった市川寛さん(61)は、不正融資事件で逮捕した農協組合長を取り調べていた。十分な証拠がないのに、上司は捜査を強引に進め、市川さんに「どんなことをしてでも割れ(自白させろ)」と重圧をかけた。

◆不起訴にすることで「許す」権限もある…はずが

 検事に任官したのは1993年。当初は容疑者を起訴するだけでなく、不起訴にすることで「許す」権限も持つ点に、公平中立な職業として魅力を感じていた。しかし、憧れはすぐに打ち砕かれた。

 検察内では自白を取ることが過度に重視されていた。有罪を勝ち取り、事件の背景を知りたい被害者らの思いに応えるためとの大義名分のほか、「自白してから容疑者の更生が始まる」という理屈もまかり通っていた。市川さんが調書に容疑者の否認を記録すると、上司から「なぜこんな調書を取ったんだ」と責められた。「割れ!」「立てろ(起訴しろ)!」とも繰り返し命じられた。

 自白を取るために強引な取り調べを容認する上司もいて、「容疑者になめられるな」とたたき込まれた。「生意気な容疑者は、机の下から向こうずねを蹴るんだよ」と言われたこともある。

◆容疑者を怒鳴ると「元気があって良い」と褒められ

 市川さんも任官間もないころから、容疑者を怒鳴るようになった。すると周囲からは「元気があって良い」と褒められた。いつしか「(容疑者を)割ってやる」と結果に固執するようになり、朝から晩まで怒鳴り続けることもあった。「検事を志した当初に抱いていた良心は、削られてしまった」

 市川さんは現在、弁護士として冤罪(えんざい)被害者の支援などに取り組む。法律家としての自分を育ててくれた検察への愛着はあり、組織体質の向上につながればと、自身の苦い経験を記憶の限り語っている。しかし、20年以上たった今も取り調べが問題視されている状況を見ると、筋書きにこだわり、威圧もいとわない風潮は変わっていないと思わざるを得ない。

 「検察庁の思想に染まる人しか出世できないから、自分たちで問題を正すことはできないと思う。第三者委員会の設置など、外部の監視や検証の目を入れることが重要だ」


(この連載は鈴木みのり、小野沢健太が担当します)


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