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臨時国会中に痛手…簗氏の農相辞任後も問われる高市首相の「責任」〈久米晃が解く :東京 - 七転八起 Shichitenhakki

2026/10/19 (Mon) 15:50:40

臨時国会中に痛手…簗氏の農相辞任後も問われる高市首相の「責任」〈久米晃が解く 政界の実相〉:東京新聞デジタル
https://www.tokyo-np.co.jp/article/521723





 先の内閣改造で農相に就任した簗和生(やな・かずお)衆院議員。地元の栃木県で、自らの選挙を支援しなかった首長のいる自治体の道路事業予算をカットしたとの発言が明らかになり、他の疑惑も加わって農相辞任劇へと発展した。波紋が広がったまま10月5日に秋の臨時国会が始まっており、高市早苗首相にとっては痛手だ。元自民党職員で選挙・政治アドバイザーの久米晃さんに聞いた。

◆決断の遅れに見える危機管理の甘さ

──高市首相は、いったん簗氏に農相続投を指示しながら、国会で予算委員会が開かれている最中に辞任という結果になりました。

 道路予算カット発言だけなら、高市首相は簗氏を守るつもりだったのでしょう。乗り切れるという思いもあったのかもしれません。しかし、簗氏が選挙の際、支援者をシャトルバスで無料送迎した事実も出てきました。公職選挙法違反が問われる問題です。失言とはレベルが違いますから、辞任やむなしという判断につながったのだと思います。

──シャトルバスの問題は報道では明らかになっていたので、野党の追及を受ける前に決断するタイミングもあったのでは。

 高市首相は10月13日の衆院予算委で「初めて聞いた。本人から報告を受ける」と答弁しましたが、私には信じられません。野党議員が栃木県選管に確認した上で質問していましたし、報道もあったのだから、高市首相はもっと早く簗氏に事情を聴くべきだったと思います。それをせずに守ろうとしていたなら、危機管理が甘いと言われても仕方がありません。

──久米さんは以前から、高市首相には議論や相談ができるチームが見えないと指摘していましたが、今回の判断にも影響しているでしょうか。

 影響している可能性はあると思います。人脈があれば、正確な情報が早く伝わってきます。高市首相に伝わっていなかったとすれば、今回の一件で政権の弱点が見えたことになります。伝わっていたのに気楽に考えていたのなら、繰り返しになりますが危機管理ができていないということです。バスの提供は判例集にも利益供与に当たると記載されているので、法的にまずいというのは私でも分かりますから。

◆珍しい「敵をつくる」発言

── 一方で、発端となった簗氏の道路予算カット発言はどう読み解きますか。

 予算を付けたことが「利益誘導」と批判されることはありますが、削減は逆ですよね。発言を受け取る側からすれば「脅迫」にも聞こえるはずです。私は国会議員に必要な資質の一つは、敵をつくらない姿勢だと考えています。敵をつくらなければ、味方になる余地は残りますが、敵になってしまえば可能性は非常に低くなるからです。だから簗氏の発言は珍しいことだと思っています。

 実は昨年、簗氏の地元である衆院栃木3区内で講演し、地元関係者とも話したのですが、簗氏の評判は良くないなと感じました。首長が簗氏を支援しなかった自治体の道路予算が減額されたのは事実です。自民党内の会合で発言した音声がメディアに流出したのも、地元に簗氏のことを快く思っていない人がいるからではないでしょうか。

──簗氏が辞任しても、高市首相の任命責任や説明責任は問われていくと思いますが。

 問われていくでしょう。ただ、直近の世論調査を見る限り、問題発覚後も内閣支持率はそれほど下がっていません。世論は高市首相本人の問題ではないととらえ、期待値は残っているとの見方もできます。

◆どうなる?消費税減税法案の審議

──野党は勢いづくのではないでしょうか。

 そうだとは思いますが、今の野党はバラバラです。特に、衆院は野党第1党が30議席に満たないのですから、事前に質問をすり合わせるなど、もっと戦略的に対応すべきだと思います。でなければ、短い質問時間で高市首相を追い詰めるのは難しいでしょう。その点、参院は与野党が拮抗(きっこう)しているので、野党がどう動いていくのか注目ですね。

──今国会では、高市首相がこだわる消費税減税法案の審議も控えています。飲食料品の税率を2年間、8%から1%に引き下げる内容で、久米さんは10兆円規模の財源が不透明な点を問題視してきましたが。

 そうです。消費税の税収は社会保障費に充てられますから、財源がなければ社会保障費が減ることになります。とんでもない事態になるかもしれないのに、いまだに明確な財源は見えません。

──高市首相や片山さつき財務相は、赤字国債は発行せず、積み立てた基金など予算の無駄の見直しを掲げ、財源を手当てする考えを示しています。

 ずっと前から改善の必要性が指摘されてきた問題ではありますが、それで10兆円を確保できたことがあるでしょうか。物価高騰により、消費税を減税しても効果は限定的という意見もあります。

 しかし、高市首相は「やる」と断言したのだから、引かないでしょうが、自らの発言と結果には責任を持ってほしいと思います。





 久米晃(くめ・あきら) 1954年生まれ。愛知県東浦町出身。選挙・政治アドバイザー。業界紙の記者を経て1980年、自民党職員に。2002年から選対事務部長、2011年党事務局長。2019年に定年退職。選挙の実務経験が豊富で、選挙に精通していることで知られる。




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