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東京23区の全域で民泊制限へ 各区が営業日数制限条例施行などで住環境悪化に歯止め(東京 - 七転八起 Shichitenhakki

2026/09/27 (Sun) 10:40:04

東京23区の全域で民泊制限へ 各区が営業日数制限条例施行などで住環境悪化に歯止め:東京新聞デジタル
https://www.tokyo-np.co.jp/article/517933





 全国の民泊施設の4割が集中する東京23区のすべてで来年1月までに、民泊の営業が制限されることが東京新聞の調べで分かった。騒音やごみ出しルールの不徹底などに住民から苦情が増加し、生活環境を守るため規制を強める。専門家は、民泊を可能にした住宅宿泊事業法(民泊新法)が「観光立国」の名の下で宿泊室数の大量供給を優先した結果、「ツケが地域に回ってきた」と指摘する。(増井のぞみ、橋本誠)

◆全国最多の新宿区、住宅地では「原則禁止」

 一般の住宅に有償で宿泊できるようにする民泊新法が2018年に施行されてからの8年間で、23区の施設の届け出数は1万6920件(7月15日時点)に上る。営業日数は新法では「年間で180日を超えない範囲」と定められている。

 23区のうち18区は、新法施行に合わせて営業日数を制限する条例を制定済み。それ以外の墨田、葛飾、江戸川、北、豊島の5区では今年3月末まで法定どおりに営業できたが、墨田と葛飾両区は4月から営業日数を制限し、豊島区も12月から同様の条例を施行する。

 営業日数の制限には「禁止」(営業日数ゼロ)も含まれ、江戸川区は7月から、北区も来年1月から、いずれも住宅地域で家主が不在の施設は民泊の新設を禁じる。民泊施設が3775件あり全国自治体で最多の新宿区は住宅地での「原則禁止」を打ち出しており、台東、豊島両区も住宅地などでの新規営業を認めない方針を決めている。

 世田谷区は、適正に運営している業者については営業日数を増やす「緩和」を検討し、現行条例で120日程度から180日までにする考え。ただ家主が施設に居住し悪質な苦情がないことなどが条件で、該当しない業者は引き続き日数を制限するほか、条例改正案では、営業に際して住民への周知や迅速な苦情対応などを義務付ける「規制強化」も盛り込む。

◆「本来の生活を我慢してまで進める政策なのか」

 各区が特に厳しい目を向けるのが「家主不在型」の営業形態だ。施設数が2314件と23区で2番目に多い墨田区は、4月以降に届け出を受理した施設のうち、家主など管理者が常駐しない施設は金・土曜宿泊のみ営業可とした。担当者は「苦情が増え、区民にも生活があり制限しないわけにいかない」と話す。

 規制強化の背景の一つには、観光庁が7月、自治体が民泊を事実上禁止できる通知を出したことがある。新宿区の担当者は取材に「家主が居住する民泊は非常に少ない。本来の生活を我慢してまで進める政策なのか」と疑問を呈した。

 同庁は取材に「それぞれの自治体で適切な判断をされている」と回答。民泊新法については、東京五輪など観光振興を図る中で「インバウンド(訪日客)が増えてヤミ民泊が問題になり、適切なルールを定めた。その時々の状況に応じて政策を打っている」と説明し、法改正の可能性は「今後の施行状況を注視する」と述べるにとどめた。

◆「管理者不在や違法営業が常態化、取り締まりの手も回らず」

 民泊を取り巻く状況を、上智大の北村喜宣教授(行政法)は「新法成立時は宿泊室数確保のため、空き家など未使用の都市空間を大量供給させるべしという天の声があった。良い施設だけを認める雰囲気ではなく、とにかくハードルを低くした。十分なシミュレーションなく立法された実験的要素が強く、そのツケが地域に回ってきている」と指摘する。

 本来禁止されている住居専用地域で民泊という宿泊営業を可能とすることは、地域住民には「青天のへきれき」だが、北村教授は住民が地域とうまくやっていくという住宅の社会的側面が考慮されていない点を問題視。「民泊は住宅なのだから家主のコントロールが利かなければならないが、管理者不在や違法営業が常態化し、取り締まりの手が回らないのが現状」とする。

 その上で「自治体は住民の生活環境保全のため、できの悪い法律を地域に軟着陸させる取り組みをするほかない」と話した。


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