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なぜ、麻生太郎を切れないのか? 残留のメンメンだけでもゾクッとするおぞましさ(日刊ゲン - 七転八起 Shichitenhakki

2026/09/16 (Wed) 22:20:16

なぜ、麻生太郎を切れないのか? 残留のメンメンだけでもゾクッとするおぞましさ(日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/393073





 党役員人事を経て、明日に改造内閣が発足するが、党の留任メンバーだけを見ても、さすがに「反省しない」内閣だ。

 裏金議員が事実上の幹事長職を仕切り、皇室典範改正では政治私物化批判が出た副総裁も堂々留任。他の閣僚を見ても、行き詰まった政策の責任者がなぜか、残留のおぞましさ。

 要するに、無反省の唯我独尊はさらにエスカレートするのだろう。

  ◇  ◇  ◇

 高市首相が16日の自民党役員人事を経て、17日にも内閣改造を行う。15日の党役員会で自ら日程を表明。「国民に豊かさと安心を実感してもらえる政策を政府・党の総力を挙げて強力に実行、実現するために人事を行う」と強調していたが、果たしてそうなのか。


 この1カ月余り、複数のメディアで大々的に騒がれてきた「高市改造」。いざ蓋を開けてみれば、党役員人事は麻生副総裁、鈴木幹事長、萩生田幹事長代行、小林政調会長らが留任する方向で、閣僚も木原官房長官、片山財務相、茂木外相、小泉防衛相らが続投する見通しだ。もちろん正式発表前であり、最終的に変更される可能性はある。とはいえ、現時点の顔ぶれを見る限り、政権の「骨格を維持」というより、骨格自体が動いていない。

 国民の多くが感じているであろう最大の疑問は、なぜ、麻生太郎を切れないのか、ということだ。

 麻生は1940年9月生まれの85歳。党副総裁を務めるほか、選対本部長代行、安定的な皇位継承の確保に関する懇談会長などの要職に就いている。高市にとって、麻生は単なる党幹部ではない。昨秋の総裁選で自分を支持し、政権誕生を後押しした最大の実力者の一人だ。党内唯一の派閥とされる麻生派(60人)を率い、義弟の鈴木は幹事長。今回、2人がそろって留任するのは、まずは党内基盤の安定を重視した人選とみるのが自然だろう。

■国民生活のためではなく次期総裁選で勝つための人選

 要するに高市にとって麻生を外すことは、自らを支えてきた党内力学を組み替えることになる。だから切れないのだろうが、人事で重要なことは「切れるか、切れないか」ではない。「その人事が国民にとって何を意味するのか」「なぜ、この人物である必要があるのか」だろう。

 麻生は皇室典範改正を巡る議論でも強い存在感を示してきた。4月には「皇族数の確保は先送りにできない喫緊の課題だ」などと訴え、改正案成立に意欲を示していたとされる。

 皇室制度は国の根幹に関わる問題であり、政治家が議論すること自体がおかしいわけではない。とはいえ、麻生は皇室典範改正に前のめりの姿勢が週刊誌などで度々、報じられ、「政治による私物化」批判が取り沙汰されてきた。

 そんないわくつきの副総裁が堂々留任とは国民を愚弄するにも程があるだろう。

 政治は権力を持つ側だけのものではない。国民から負託された権限をどう使うのかが問われるのであり、長年にわたって政権中枢にいる人物を留任させるのであれば、なおさら、国民に対して説明が必要になるのは言うまでもない。

 元参院議員の平野貞夫氏は「今回の人事は改造ではない」と言いつつ、こう続ける。

「はっきり言って国民生活のための人事ではなく、とにかく次期総裁選で自分が勝つためだけの人選。それが目的だから代わり映えもしないし、中身もよく分からない。適材適所なんて言葉だけ。すべては自身に権力を集中させるためで、まだまだ麻生副総裁の後ろ盾が欠かせないのではないか」


■高市にとって「自分で考え働く有能な人」はいらない

 しかも、今回の党役員人事で留任が問題視されているのは麻生だけではない。自民派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題で“震源地”となった旧安倍派出身の萩生田も幹事長代行に残ると報じられていることだ。

 昨年10月の高市政権発足後、裏金議員は副大臣や政務官に起用された一方で、これまで閣僚への登用はない。そんな中、木原は10日に出演したネット番組で、新たに裏金議員の閣僚登用について言及。「既に2回の選挙を経て国民の信任を得ている」「選挙が何よりも国民の審判という意味で重要」と発言し、今回の改造、党役員人事もそれを踏まえて行われるとの認識を示していた。

 つまり、「選挙で勝ったから裏金問題はクリア。禊は済んだから大臣就任も問題ナシ」というわけだが、冗談ではない。

 長年にわたって組織的かつ常習的に裏金づくりを続けてきたという前代未聞の「政治とカネ問題」を「選挙」という審判だけで清算していいはずがないからだ。にもかかわらず、高市政権は「勝てば官軍」とばかりの傲慢さ。脱税行為として市民団体から告発状を提出された議員が、政権中枢の要職に就くなど言語道断。これでは「反省しない」内閣と言われても仕方がないではないか。

■党役員・改造人事の顔ぶれで目立つ「高市イエスマン」

 高市改造人事の顔ぶれで象徴的なのは「イエスマン」が目立つことだ。

 高市は各議員が政権にどれぐらい協力したのかを記した“閻魔帳”を参考に人選を進めているとされるが、営利企業じゃあるまいし、政権に対する貢献度で人事が左右されるなどマトモじゃない。

 政治の主役はあくまで国民なのだ。国民生活のためになると思えば、たとえ相手が総理大臣であろうが意見具申する。それが国会議員の役割というものだ。

 今の米トランプ政権をみても「イエスマン」ばかりそろえた結果、イスラエルと一緒に国際法違反のイラン攻撃に踏み切り大失敗。今や裸の王様状態に陥り、やりたい放題となったトランプは内政も外交もメタメタだ。

 日本でも高市政権にとって耳の痛いことを言う人物が遠ざけられるほど、今の米国と同じ道を歩むことになりかねない。すでに自民中堅議員からは「耳が痛いことを首相に言える人が官邸にいない」「ワンマンのままでは次の総裁選は危うい」との声が出ていると報じられているが、改造人事を見る限り、それが現実味を帯びてくるわけだ。残留のメンメンだけでもゾクッとするおぞましさ。

 仮に高市政権を取り巻く連中が「自分たちだけで政治を動かせる」と考えるようになれば、それこそ危うい。判断を過信した「無反省の唯我独尊」がさらにエスカレートすることになるからだ。

 言わずもがな、組織に必要なのは「イエスマン」ではない。トップが間違えた時、「違う」と言える人間が必要なのだ。今後の議論が注目される食料品の消費税減税、衆院議員定数削減、安全保障関連3文書の改定、インテリジェンス機能の強化──など、重要政策であればあるほど、権力側は異論に耳を傾け、国会で議論し、国民に説明する必要があるだろう。

 政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。

「高市首相にとって『自分で考え働く有能な人』はいらない。必要なのは言いなりで働かない人。そういう人たちを集めれば自分が思うように進められるからです。留任の顔ぶれを見ても総じて、そういう議員ばかりでしょう。次は『働くな×5』とでも言うのではないか」

 やはり問われているのは改造内閣そのものより、その後の政治の姿勢だ。


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