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中道空中分解で何が起こるか? 高市早苗で大政翼賛政治という悪夢(日刊ゲンダイDIGITAL - 七転八起 Shichitenhakki

2026/09/10 (Thu) 19:42:09

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/392808





 それでなくても、会見を拒否し、国会を愚弄する政権だ。野党不在の国会ではまともに答弁もしないだろう。地方自治は破壊され、デモをやるにしても、国民は監視下に置かれ、デタラメ予算もやりたい放題の暗黒が始まるのか。

  ◇  ◇  ◇

 これで完全に空中分解か。

 中道改革連合が9日、臨時の常任幹事会を国会内で開き、党を解体する方針を決定。立憲民主党出身議員(21人)と公明党出身議員(28人)がそれぞれ離党し、衆院統一会派「中道」を結成する方針だが、中道という政党は1月の結党から8カ月足らずで分裂に至った格好だ。


 中道には立憲出身の衆院議員1人が残り、資金面の整理などを行う。清算が終わった後に党は解散する見込みだ。残る立憲出身の20人は****などの結成を目指し、公明出身議員は公明に復党する。

 小川代表は会見で「****への結集や公明への再結集を通じて、中道政治を前進させる」と表明。しかし、****の代表を誰にするのか、党の資金繰りをどうするのか、具体的な組織のあり方は未定だ。

 中道の立ち上げにかかわり、「5爺(ファイブジー)」などと揶揄された野田佳彦元首相は7日のブログで〈3党が合流に至らなかったことは誠に悔しく残念でなりません。ご支援、ご期待をいただいた皆様に、深く深くお詫び申し上げます〉〈私は中道勢力の結集を決して諦めません〉なんて書いていたが、野党をブチ壊した責任をどう考えているのか。立憲出身の現職や落選組からは困惑と不安の声が上がっている。

「中道分裂、****設立の方針を受け、『来春の統一地方選はどう対応するのか』『小川代表のポスターはどうしたらいい』『中道の意義はなんだったのか』といった声が噴出しています。最も多いのは『中道という会派名はやめて欲しい』という意見。失敗した政党名を使いたくないと思うのは当然でしょう。この感じだと、****ではなく立憲への合流を望む人も出てくるかもしれません」(中道関係者)

■それでも「中道勢力」の結集は必要

 果たして、野党は今後、どうなるのか。

 ジャーナリストの山田恵資氏はこう言う。

「遅かれ早かれ、中道が分裂することは分かっていたこと。小川氏をトップとする体制が2月にできて以降、支持は離れていくばかりで無為に時間を浪費した印象すらあります。とはいっても、今後の政界には、いわゆる中道勢力は必要でしょう。野田氏は〈中道勢力の結集を決して諦めません〉とブログに書きましたが、****がそれを実現するには、今が最大のチャンスと言える。『解党的出直し改革』に追い込まれた、いのちの党(旧れいわ新選組)のリベラルな支持層は中ぶらりん状態です。一方、公明は高市政権である限り自民にすり寄ることはない。****は、彼らが離れないようにキチンとグリップし、結集を図るべきです」

 その通りだろう。野党がバラバラでは巨大な与党とは対峙できない。対抗勢力がいなければ、高市政権はやりたい放題だ。

 それでなくとも、高市首相は会見開催を拒否し、SNSの書き込みにばかり集中。先の特別国会でも、答弁台に立つことを極端に嫌がった。中傷動画疑惑を巡って、作成・配信に関与したとされる秘書の陳述書を後日提出する暴挙に出たほどである。平然と国会を愚弄するのが“高市流”というわけだ。野党不在の国会では、与党との交渉もままならず、高市はマトモに答弁しないだろう。


■共通項を見いだし「数の力」を持つべき

 沖縄県知事選では、自民党本部が沖縄県連の頭越しに交渉し、下地幹郎元衆院議員が土壇場で不出馬表明。「保守一本化」を実現したが、地方のリーダーを決める選挙に政権与党の自民党本部が手を突っ込むなんて、地方自治の破壊としか言いようがない。

 先の特別国会では、「国家情報会議」設置法が成立し、「スパイ防止関連法」の創設に向けた議論が本格化。デモをやるにしても、国民は監視下に置かれかねない状況だ。

 来年度予算の叩き台になる概算要求は史上最大の143兆円。効果不明の青天井投資に財源なき消費税減税と“無責任な積極財政”で、いつまた円安、債券安が再燃するか分かったものではない。

 野党消滅は暗黒時代の始まりではないか。

 法大教授の山口二郎氏(政治学)はこう言う。

「大袈裟だと思われるかもしれませんが、野党の崩壊は民主主義の危機に他なりません。この国会の状況では、高市政権は怖いものなしで危険な政策を何でもかんでも通してくる。異論を許さない全体主義を防ぐためにも、野党はもう一度、あるべき姿を考え直さなければなりません。重要なのは、打倒すべき『敵』が誰なのかということ。当然ながら『敵』は高市政権です。ところが、野党各党は細かな政策のすれ違いで互いに争っている。必要なのは、それぞれの『共通項』を確認することでしょう。国会内の数合わせに批判があることは承知していますが、ある程度の『数』による力を持たなければ高市政権に対抗できません。力を持つには、与党寄りの動きが目立つ国民民主はともかく、立憲や公明に加え、他の党にまでウイングを広げるべきではないか。いずれにせよ、イチから仕切り直すくらいの気概がなければ、高市****は止められないでしょう」

■高市首相に「声なき声」を聞く意思ナシ

 そもそも、民主主義の基礎は「少数意見の尊重」だ。一国の宰相は社会の少数者や「声なき声」をすくい上げ、それを基に熟議を重ねた上で制度設計や予算に反映させる──、これが原理原則である。本来、少数であっても野党の声には耳を傾けるのが当然なのだが、そんな基礎中の基礎が高市に通用するかは極めて微妙だ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

「野党の弱体化は高市首相にとって願ってもない状況です。少数の声に耳を傾けるどころか、好機とばかりに彼らの声を無視し、踏みつけてくるでしょう。先の特別国会での対応を見れば明白です。特別国会では、野党の追及はほとんど無視し、皇室典範改正や国旗損壊罪創設、維新肝いりの副首都関連法の成立をゴリ押しした。いずれも、自らを支持してくれる勢力にいい顔をするための施策で、全ては私利私欲。秋の臨時国会では消費税減税関連法案や定数削減法案が焦点となるとみられています。いずれも、熟議が必要な重大な政策ですが、高市首相は自らの野心のために、またぞろ強引な成立を狙ってくる可能性がある。その時、対抗できる野党がいないのは、国民にとって不幸なことです。もはや、暴政を止めるには国民の怒りしか残されていないのかもしれません」

 高市の大政翼賛政治なんて悪夢そのもの。うなされることになるのは国民だ。

 野党はゴタゴタしている場合ではない。


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