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「裏金議員は公認して、なぜ非公認なのか」高市の“怒り”の通告に福岡自民の若手(アエ - 七転八起 Shichitenhakki

2026/09/03 (Thu) 14:29:50

「裏金議員は公認して、なぜ非公認なのか」 高市首相の“怒り”の通告に福岡自民の若手県議から反発の声:AERA DIGITAL(アエラデジタル)
https://dot.asahi.com/articles/-/291744?page=1





「本当に公認されなかったらどうしようと心配で仕方ない。私のように当選回数の少ない県議からすれば、おかしいじゃないかと文句も言いたくなる」


こう話すのは、大揺れが続く福岡県議会の自民党若手県議A氏だ。

 8月28日、自民党福岡県連の会長・松本国寛県議と幹事長・樋口明県議の2人が自民党本部に呼ばれ、鈴木俊一幹事長らと面談。その場で、

「今のような事態では、県会議員に公認証を出せる状況ではない」

 と来年春の県議選で自民党県議を公認できないと伝えられた。

 7月に福岡県議会の元議長が、「議長に就任する際、自民党幹部に大金をカツアゲされた」と告発した金銭授受疑惑では、「福岡県議会のドン」と呼ばれた蔵内勇夫前議長が議員辞職に追い込まれたが、一向に収まる気配を見せない。福岡県連の幹部2人が党本部まで足を運ぶことになったのは、高市早苗首相の意向があったという。自民党幹部のB氏が言う。

「高市首相は、沖縄県知事選で厳しい戦いをしているときに、福岡県連の“カツアゲ”疑惑の話題がずっと沸騰し、全国ニュースになっていることに我慢ならなかった。その意を受けて鈴木幹事長自身が早期の収拾を図るべく乗り出した。これまで『福岡の問題だから』と静観していた鈴木幹事長が地方のもめごとにわざわざ首を突っ込むなんて、そうはありません」

 福岡県連幹部との面談には、鈴木幹事長とともに福岡1区選出の井上貴博首相補佐官も同席し、

「非公認とするのは高市首相の意向もある。高市首相はお怒りだ」

 などと説明したという。

 高市首相の「怒り」を受けたためか、党本部に出向いた松本氏はその後、県連会長を辞任することを表明している。

 前出のB氏が言う。

「通常は党務とかかわらない首相秘書官の井上氏まで同席させたことで、高市首相の怒り心頭ぶりがよくわかります。福岡県連のトップを呼びつけるほど厳しい姿勢をとったのは、裏金問題のことが念頭にあるでしょう。裏金問題で自民党は衆院選、参院選で立て続けに惨敗するなどガタガタになった。“カツアゲ”問題の炎上を早く止めないと、沖縄県知事選や来春の統一地方選に大きく影響すると判断したはずです。それに福岡は高市政権のキングメーカーである麻生太郎副総裁の地元ということで、党本部が乗り出した面もあるでしょう」

■裏金問題で少数与党になった自民党

 旧安倍派など自民党派閥が政治資金パーティーの収入を裏金にしていた問題を受けて、自民党は世耕弘成参院幹事長(当時)に離党勧告、西村康稔元経産相に党員資格停止1年間、萩生田光一政調会長(当時)に党役職停止1年間など、深く関与したとされる議員に処分を下した。2024年10月の衆院選では、裏金に関与した議員の多くを非公認としたが、この選挙で自民党は大敗し、少数与党に落ち込んだ。

「高市首相としては裏金問題のときの前例があるので、非公認という厳しい対応がやりやすかった面もあるでしょう」(前出・B氏)

 ただし、冒頭のA氏のように、福岡の自民党県議の半数ほどは当選回数が1~3回で議長・副議長職には縁がなく、“カツアゲ”疑惑とは無関係と思われる議員だ。A氏は、裏金問題で処分されていた西村氏が今は選対委員長に、萩生田氏が幹事長代行に起用され、副大臣や政務官にも多くの裏金議員が名を連ねていることを指摘して、こう訴える。

「高市首相は今年2月の衆院選で裏金問題にかかわった議員を公認し、とりわけ責任がある人物を重要ポストに起用している。福岡県連では金銭授受疑惑を持たれている県議は一部の幹部に過ぎない。それなのに、福岡の県議はみな非公認というような対応はおかしい。私のような当選回数が少ない県議が非公認となれば、とてもじゃないが選挙で戦えない。もし現職の公認を認めず、別の新人が自民党公認で出るようなことがあれば、保守分裂の争いになりかねないですよ」

 実際、ベテラン県議の選挙区では自民党現職の「非公認」を見越して、県議選出馬をもくろむ動きが出てきているという。

 また、蔵内氏の辞職に伴い、筑後市選挙区(定数1)の県議補選が10月4日に投開票されることが決まった。A氏はこう話す。

「補選には絶対、候補を出すべきですが、まったく候補者は決まっていないと県連幹部から聞いています」

■「善人、悪人キャラがくっきりしているから」

 自民党の政務調査会の調査役を長く務めた、政治評論家の田村重信氏は、福岡政界で麻生氏、蔵内氏、武田良太元総務相の覇権争いが「新・三国志」とも言われて報道やSNSで取り上げられ、全国的に福岡県議会の疑惑が広がっていることを踏まえてこう話す。

「党本部の鈴木幹事長が県連の幹部に直接通告する異例の対応は、高市首相が裏金問題と同じようなことにならないかと危機感を持っている証だろう。トップとしては当然で、このまま“カツアゲ”のイメージが広がれば、統一地方選に大きなマイナス要因となりかねない。ただ、ニュースが大きくなっているのは『県議会のドン』蔵内氏が自ら『日本で一番悪い男と言われている』などとマスコミの前で語って悪役を演じ、『カツアゲ』だと会見した県議が正義の味方のようにふるまい、善人と悪人のキャラがくっきりして、興味を集めてしまっているところもある。ふつう、地方のこれくらいの政治とカネの問題がいつまでも全国ニュースにならないので気の毒な面もあるが、これが政治だ。早く問題解決に動くしかない」


(AERA編集部・今西憲之)

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