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女性検事ひかりさんが悲痛な訴え「検察を監視する第三者がいない。司法が歪められ、市(日ゲ - 七転八起 Shichitenhakki

2026/08/31 (Mon) 11:33:38

女性検事ひかりさんが悲痛な訴え「検察を監視する第三者がいない。司法が歪められ、市民が犠牲になってしまう」(日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/392234





 大阪地検検事正だった人物が準強制****容疑で逮捕されるという、衝撃のニュースが報じられたのは2年前の2024年6月。性的暴行を受けた女性検事は会見で、北川健太郎被告からの被害だけでなく、事件に対する検察組織のずさんな対応を告発した。いま、検察では不祥事が続出している。組織的腐敗が明るみに出る中、女性検事は検察改革を訴え立ち上がった。これ以上被害者を生まないために、どうすればいいのか。

■これまでの経緯

 大阪地検の女性検事・ひかりさん(仮名)は2018年9月、当時の大阪地検検事正だった北川健太郎被告から、酒に酔って抵抗できない状態で性的暴行を受けた。ひかりさんは24年3月に刑事告訴に踏み切り、同年6月に北川は準強制****容疑で逮捕、同罪で起訴された。北川は初公判で起訴内容を認めたが、その後「同意があった」と無罪を主張する方針に転じている。初公判後、1年半以上も公開の裁判が開かれない異例の展開となっている。

 一方、ひかりさんは、同僚による誹謗中傷や実名の拡散などの2次被害にも苦しむ。不適切な対応の検証を求め第三者委員会の設置を訴えるも検察は拒否し続け、ひかりさんは今年4月末に辞表提出に追い込まれた。現在、検察組織からの2次被害などに対し、国家賠償請求を起こしている。

  ◇  ◇  ◇

 ──性被害を受けてから、刑事告訴するまで、約6年の時間を要しています。

 北川は大阪地検のトップであり、犯罪の起訴、不起訴を決める人物です。私の被害申告を、握りつぶすことだってできてしまう。初めは被害を打ち明けるなんてとてもできなかったし、私が辞職に追い込まれるのも目に見えていた。キャリアや収入、同僚との関係、自分の居場所も全部失ってしまうため、刑事告訴するためには物凄いエネルギーと覚悟を持たなければなりませんでした。

 ──被害を受けた約1年後に北川被告から送られてきた直筆書面には、口止めに近い脅迫するような文言が書かれていたそうですね。

「被害を公にしたらメディアが大騒ぎし、検察組織は大ダメージを受け、検事総長以下幹部も辞職に追い込まれる。職員にも迷惑がかかり、あなたの大事な大阪地検は立ち行かなくなる。被害を公表しないでください」などと書かれていました。それを読み、私はとても怖くなってしまった。

 ──それでも、刑事告訴に踏み切ったのは?

 処罰すべき者を処罰するという仕事をしてきたのに、自分のことになるとそんなこともできずにいました。しかし、それでは自分の尊厳がひどく傷つけられたままで、性被害で患ったPTSD(心的外傷後ストレス障害)がどんどん悪化してしまった。このままでは死んでしまうというくらい、深刻な状態になってしまいました。自分の尊厳を取り戻し、検察の仕事に復職して、家族と平和に穏やかに暮らしたいと思うと、北川を処罰するという選択肢以外はありませんでした。

 ──しかし、被害を訴えた後、検察組織から2次被害を受けたというのは驚きです。

 北川と不貞関係にあった女性副検事が、内偵捜査中に捜査情報を北川に漏洩するなどして、捜査妨害をしました。しかも、被害者である私の実名を言いふらし、さらに私が「ハニートラップを仕掛けた」などとする誹謗中傷を猛拡散していた。その女性副検事を捜査妨害、名誉毀損で刑事告訴しましたが、検察はその実態を把握しながら、不起訴にしました。重大な2次加害にもかかわらず、検察は彼女を最も軽い「戒告」処分で済ませました。

■最高検から「被害申告を取り下げろ」と圧力

 ──さまざまな圧力があったのですね。

 北川を刑事告訴した際、最高検察庁側から「北川から逆告訴されて多額の賠償請求をされる」などと脅され、「被害申告を取り下げろ」と迫られました。検察組織は北川の起訴後、捜査妨害や2次加害を放置し拡大させ、復職への支援もせず、私の主治医とも連携せず、性犯罪被害者の私を守ってくれなかった。検事の仕事は私の生きがいであり、辞めたくなかったけれど、辞職するしかありませんでした。

 ──最近は、検察の威圧的・侮辱的な取り調べが刑事事件化されたり、検察官が捜査対象者と不適切な交際をするなど、不祥事が続出しています。なぜだと思いますか。

 第三者の監視が入らないため内部の風通しが悪く、認知が歪んだ幹部職員から高圧的に支配され、現場も人権意識が希薄になってしまっています。高学歴かつ大学院を卒業後すぐに司法試験に合格できた人ほど、検察に採用されます。社会経験がほとんどなく、学問エリートというだけの人たちが検事になり、強大な権力を与えられる。彼らは自分のさじ加減で人を逮捕できるし、起訴できる。しかも、周囲からはあがめ立てられて勘違いし、万能感を得て人権を軽視してしまう人もいます。

■直近で検事が5人も自死

 ──パワハラやセクハラなど、検察職員のハラスメント被害も相次いでいます。

 報道では、12年からの7年間で少なくとも5人の検事が自死し、公表情報だけでも検察官によるセクハラ・パワハラの懲戒処分が40件を超えている。これは、異常な状況です。一般企業なら、株主や取引先が黙っておらず、第三者委員会を設置して検証を迫られます。実際、公的機関でも第三者委員会は設置され、福井県知事のセクハラ問題や、横浜市長のパワハラ問題では、議会も厳しく追及しています。

 ──検察に第三者による監視機関がないことが、問題を大きくしていると?

 内部調査では不祥事が握りつぶされ、検証も公表もされません。職員は報復人事を恐れ、声を上げられない。 政治家は検察にガサを入れられるとイメージダウンするので怖い。メディアも“取材先”である検察から情報を得られなくなることを恐れている。誰も歯向かうことができず、悪い意味で“最強”の組織なのです。

 ──法律で人を裁くという重い責務の検察が「絶対権力」ではマズいですよね。

 私は今月3日に会見を開き、男性元検事のパワハラ被害についても訴えました。男性元検事は上司からパワハラを受け、被疑者への自白強要や証拠隠しなどの違法捜査も強いられていましたが、内部調査で握りつぶされ、辞職に追い込まれてしまった。検察内のハラスメントを放置すれば、まともな職員はつぶされ、全体の士気は下がります。司法が歪められ、冤罪を生むなど、市民の犠牲につながってしまいます。

 ──ひかりさんは自身の性被害に関して第三者委員会の設置を求めていますが、検察は「内部調査」で済ませようとしています。

 多くの国会議員が法務大臣に、私の事件を契機とした第三者委員会設置を提言してくれましたが、検察はかたくなに応じません。高市首相が法務大臣に指示していただきたいです。検察の組織改革の機運を高めるために、さらに市民が声を上げ、より多くの国会議員にも声を上げていただくことが重要です。

 ──検察内には、不適切な行為を調査・指導する監察指導部もありますが?

 女性副検事の2次加害や幹部らの組織的隠蔽を監察指導部に訴えても、何の反応もなく、形骸化しています。検察組織に自浄作用はなく、何の期待もできません。

 ──検察組織の改革のためには、具体的にどのような方法が考えられるでしょうか。

 例えば、海外には検察を監視する第三者機関があります。こうした組織の設置も必要ですし、検察の中に企業法務の弁護士など外部の人を入れ、ガバナンスを立て直すことも求められます。検察OBが大手企業の取締役になることが多いため、経済界にも検察改革の声を上げていただきたいです。現場には真面目にやっている職員もたくさんおり、腐敗した組織に苦しんでいる。だからこそ私は、現職の職員に「あなたたちが第三者委員会設置が必要だと声を上げなければ、検察組織は変わりません」と、訴えています。私も検察という強大な組織と対峙するのは本当に恐ろしいですが、自分の活動が今後の刑事司法に大きな影響を及ぼすと思っている。いまはすごくつらいですが、諦めてしまうことはもっとつらい。

■本来は被害者を導き「ひかり」をもたらす

 ──最後に、活動名である「ひかり」という名前は、どのように決めたのですか。

 犯罪被害者にとって、検察は最後のよりどころだと思っています。被害者は犯罪に巻き込まれた時点で人生が一度止まり、真っ暗になってしまう。その時に、検察が被害者に寄り添うことで彼らに光を差し、導くことができる。そうした思いで、私も検察の仕事を一生懸命やってきました。「ひかり」という名前は、検察というものがそのようにあってほしいという思いを込めたのです。

(聞き手=橋本悠太/日刊ゲンダイ)




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