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高市支持率が急落…青息吐息の野党が“高市おろし”をするには臨時国会「愛子さま(古賀 - 七転八起 Shichitenhakki

2026/08/25 (Tue) 14:20:11

高市政権支持率が急落…青息吐息の野党が“高市おろし”をするには臨時国会で「愛子さま法案」を争点にするしかない(古賀茂明 :AERA DIGITAL(アエラデジタル)
https://dot.asahi.com/articles/-/290794?page=1



古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表。1955年、長崎県生まれ。東****学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。テレビ朝日系「報道ステーション」のコメンテーターを務めた。YouTubeチャンネル「古賀茂明TV」を配信中。近著は『分断と凋落の日本』(発行:日刊現代)など。








 皇室典範改正などで終盤に大きく揺れた特別国会が終わり、高市早苗政権初の骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)と消費税の食料品税率1%への減税も閣議決定された。これらの高市政権の一連の政策への評価は内閣支持率の急落となって表れた。特に無党派層の離反が大きいという分析が複数の調査で出されている。

 何があっても下がらないと言われた「高市支持率」がついに目に見えて下がったのは、大きなニュースである。

 世論の支持が下がっただけではない。自民党内の高市首相への批判も強まっているという大手紙政治部の記事も目立つ。これはある意味、必然的な流れだ。

 高市首相は、自民党内で人気があったわけではない。一部の保守派(というより右翼的と言った方がわかりやすい)議員を除き、むしろ高市首相は自民党内では不人気な政治家だと言われていた。

 しかし、圧倒的な高支持率を前にして高市批判をすれば自らに跳ね返るし、選挙の顔として使える党総裁だからこれに表立って逆らう必要はないということで、政権成立後しばらくの間は無風状態だった。

 さらに、年明けの衆議院解散に伴う総選挙で自民党単独で3分の2を超える大勝を成し遂げた後は、高市首相にはもはや何も言えないという雰囲気が支配した。ただし、それは表立ってはというだけのことで、唐突に消費税減税を公約にしたことなどをめぐり不信感を持つ議員が増え、裏で陰口を叩く者を探すのは簡単だった。

 つまり、高市首相が首相でいられるのは、すべてその支持率が高いことにかかっているということだ。逆に言えば、支持率が下がれば、党内基盤があっという間に崩れる可能性がある。

 そして、今、高市内閣への支持率が急落した。すわ、一大事!

 政治部の記者の中には、秋までに行われる内閣改造と党人事で高市おろしが始まると騒ぐ向きもあった。私は、そんなことは起きないと見ているが、その兆しが見える可能性はある。

 夏休みは、与野党共に議員たちが地元の有権者と直接触れ合う機会が急激に増えるので、肌感覚で世論の変化を感じる期間となる。そこで今、高市政権への評価が変化していることを感じ取る議員が増えている。

■自衛隊派遣と皇室典範の改正問題

 もう一つ、世論の変化に気づく機会がある。それが、国会前や全国各地で広がる反高市の集会である。こうした運動はもちろん常にあるが、最近の盛り上がりはこれまでの傾向から明らかに逸脱し、大きなうねりを感じさせる。

 その最大の特色は、参加者の年齢層だ。従来の反政府集会というと、大半が60代以上と見られる高齢者の集まりで、リベラル勢力の将来はほとんどないように見えた。

 ところが、今拡大中の集会は、20代・30代の若い人が中心で、大学生、中には高校生もいる。そして、女性が多い。子連れ参加も珍しくなくなってきた。久しぶりに集会に行ってみたという友人が、これまでとの違いに心底驚いたと嬉しそうに語っていたのが印象的だ。

 この変化は、単なる印象論ではない。スマホの人流分析などで客観的に裏付けられた確固たる事実である。

 この動きは今年の3月から始まった。それは、ちょうど自衛隊をホルムズ海峡に派遣するかどうかが国会などで大きな議論になった時期だ。私がよく知る野党議員は、連日街頭に立つ中で、3月は大きな変動を実感したという。ビラを受け取る人が増えた。若い女性から声をかけられて、子供を戦争に行かせたくないという切実な声を聞いたという。

 従来のリベラル支持層の改憲反対、戦争反対という理念型の意見ではなく、自分の生活と政治を初めて繋げて考えたという無党派層だ。もちろん根底では、物価高対策がなかなか進まないことへの不満も広がっていた。

 そして、2回目の大変動が、皇室典範の改正問題だ。声をかけてくる女性の声に驚いたそうだ。「高市さんなら当然愛子さまが天皇になれるように変えてくれると思っていたら、女性天皇を認めないなんて信じられない!」というものだ。

 高市氏が初の女性首相だから、女性の権利の拡大などが前に進むと単純に信じていた無党派の女性たちが、高市首相の本性を見せつけられて驚愕したという図式なのだろう。街の雰囲気は確かに変わっているという。それは、自民党議員も肌で感じているはずだ。

 ただし、こうした草の根の動きは、残念ながら大きく報道されないので、まだ知らない人の方が多い。

 また、機動隊の車が群衆にあわや押し倒されそうになるほどの勢いがあった2011年の反原発デモや、SEALDsなどの若者と労組などの活動で大きく盛り上がった15年の反安保法制のデモなどのような激しさはないが、その勢いは決して無視できないレベルになっている。特に、労組などの組織動員型でなく、SNSを通じた個人参加型になっているので、組織の規模の制約で頭打ちということにはならない。まだまだ伸び代がある。

■リベラル政党・中道改革連合は終わった

 こうした状況を見て、ほぼ絶望的だと見られていたリベラル政党の復活に期待を寄せる声もある。集会には、必ずそれらの政党の議員も参加し、スピーチなどで連帯の意思表明をしている。

 しかし、既成政党にリベラル復活の大役が任せられるのかというとそれは難しそうだ。なにしろ、高市政権の支持率が下がっても、リベラル野党の支持率は上がらない。

 8月10日発表のNHKの世論調査では、なんと共産党が野党で最大の支持率を記録したと話題になったが、それでも支持率はわずか3.4%。同調査で35%を記録した自民党の10分の1にも満たない。どうしてそんなことになったのか。

 そもそも、今、野党(正式な政党要件は満たさないが国会内で独自の院内会派を組んでいるグループを含む)はいくつあるかと問われて、答えられる人は少ないだろう。全ての政党・院内会派名を言ってみろと言われたらお手上げだ。

 それもそのはず、ある野党議員が前国会である案件について野党全ての賛同を得ようとした際、「こんなに政党があったのか!」と驚いたという話を聞いた。国会議員が驚くほど分裂しているのだ。

 正解は11(名前は、AIに聞いてください)だが、どの政党・グループもこれから大きく伸びるかと言えば、そうは見えない。もっとも期待が高かった「チームみらい」は、これまでの国会を通じてその未熟さが露呈し、一気に勢いを失った。

 私が知る多くの有識者たちの意見が一致しているのは、中道改革連合は終わったということだ。そもそも大義を説明できない立憲民主党と公明党の合流が選挙に勝てば結果オーライとなるはずだったのが、逆に歴史的大敗を喫したことで、立っていられなくなった。国会運営でも与党にすり寄る場面が多くますます支持層の離反を招いた。

 そして極め付きが皇室典範改正だ。国民世論と正反対の高市政権の改正案に賛成したことで、中道支持層はもちろん、無党派層などからも「呆れた」と、見捨てられてしまった。取り返しのつかないミスだった。

 では、立憲はと言えば、これも旧態依然で、高市批判が高まってもその受け皿にはなっていない。しかし、何か起死回生の一打が期待できるかというと、誰と話しても「今は何をやっても難しいよね」と、閉塞感だけが支配する。

 当然のことながら、落選中で次の選挙を待っている旧立憲系の前・元議員たちの間には、苛立ちと焦りが広がる。現職議員とて同じ気持ちになるだろう。

 現在、中道・立憲・公明の合流の議論が行われているが、国民が納得するような合流の大義などあるはずはなく、沈没必至の船を待つお人好しがいないのも当然だ。

■政治団体「ゴリラ」は中道に比べればマシ

 そんな状況下の先週、8月19日、「ゴリラ」の誕生が発表された。新しい政治団体「護憲リベラル共生」の結成表明だ。護憲の「ゴ」、リベラルの「リ」「ラ」で「ゴリラ」。名前は話題になりそうだ。

 中道の川内博史氏と、中道を離党した阿部知子氏が共同代表に、同じく離党した平岡秀夫氏が幹事長に就くが、いずれも前衆院議員で、先の選挙で落選した人たちだ。

 メンバーは計16人となり現職議員もいるとのことだが、政治状況が微妙なので名前は明かさないとした。「乞うご期待」ということだが、記者会見に出てきた3人が全て落選議員で、しかも一番若い川内氏が64歳、平岡氏72歳、阿部氏78歳だ。世の中に広がる「若者の声」を代弁するイメージはない。早くも「落選老人共生」などと揶揄する声も聞かれ、大手新聞の扱いも非常に地味だった。

 内々に入手した名簿には、確かに現職議員も入っているし、元気で論客と言われる若手議員もいる。少なくとも現在の中道に比べればはるかにましだし、立憲と中道が合流した場合の体制を想像しても、ゴリラの方が人材的には良さそうだ。

 私は、特に川内氏と阿部氏をよく知っている。2人について、何が一番の売りかと聞かれたら、私は、「嘘をつかないこと」と言いたい。「常に弱者の側に立ってきたこと」「戦うべき時に戦うこと」も挙げられる。これまで数え切れないほどの政治家と付き合ってきたが、この2人はその中では、最も信頼できる政治家に入ると言ってよい。

 個人の評価だけでなく、政策面を見てみると、まだ詳しいことはわからないが、「どういう国をつくるのか」という理念がはっきり打ち出されている。

 記者会見では、川内氏が、平和を守り、憲法を守り、国民生活を守るという基本哲学を前面に出し、具体的政策でも皇室典範問題について、女性・女系天皇を認める再改正を掲げ、沖縄県知事選で現職の玉城デニー知事を推すことも明示している。

 さらに、米国からの自立を目指す政策も、不平等とされる日米地位協定の見直しなどを掲げ、中道の弱点だった原発政策についても、原発を一日も早く終わらせるとしている。人材、政策両面で既存の中道や立憲よりも期待が持てそうだ。

■自民良識派と「ゴリラ」の合流という夢

 さらに、川内氏は鳩山由紀夫元首相と非常に近い関係にあり、水面下では鳩山氏が支援に回る可能性が高いと私は見ている。

 その鳩山元首相の周りには、自民党議員も集まりつつある。先日も、石破茂前首相、村上誠一郎前総務相、岩屋毅前外相らが鳩山氏と会合を持ったという情報が入ってきた。これらの自民党議員は、高市批判の急先鋒であり、リベラル陣営の中では、高市おろしに動いてダメなら離党してこれらの自民良識派による新たなグループができるのではないかと期待する向きもある。その時、鳩山氏が仲介して自民良識派とゴリラが合流できないか、などと夢を膨らませることもできるかもしれない。

 しかし、現時点では、そうなる可能性はまだ低いと言うべきだろう。ゴリラが大きく羽ばたく勢いを見せれば、自民のグループも関心を持つだろうが、今の段階では、あまりにも不確実で、当面は様子見ということになるだろう。

 前述した内々のゴリラのメンバーリストには、先に中道を離党した吉田晴美前衆議院議員の名前がなかった。吉田氏は、24年の立憲の代表選挙に立候補した。その時、江田憲司前衆議院議員・元立憲代表代行らの支援を受け、1年生ながら28人の国会議員票を集めた。年齢も54歳で脂が乗ってきたところだ。今後のリベラル勢力の中では、潜在的に大きな存在になる可能性があると見てよいのではないか。彼女が仮に別の動きを模索しているのであれば、そちらも非常に気になるところだ。

 最初に指摘したとおり、高市おろしが現実のものになるかどうかは、何よりも高市内閣の支持率に依存している。高市首相は、国会閉会中は、話題作りや人事などでなんとか支持率の上昇を目指すだろうが、最大のポイントは、秋の臨時国会で野党が攻勢に出て内閣支持率を一段と下げることができるかどうかだ。まだ先の話になるが、一つだけ大事なポイントを挙げておきたい。

■「愛子さま法案」を争点とすべきだ

 それは、臨時国会の争点を「消費税減税」にしないことである。野党が消費税減税の政府の法案に反対しても、高市首相は、公約を実現するのは当たり前だと言い、財源は何とかすると言い続けるだろう。それに対して、いろいろいちゃもんをつけても、野党が得点を挙げるのは難しい。

 万一参議院でこの法案を否決すれば、高市首相は、消費税減税をテーマにして衆議院を解散すると私は見ている。もちろん、今以上の議席は取れないかもしれないが、減税をするかしないかだけをテーマにすれば、減税して欲しいという声の方が勝る可能性は高い。

 そこで、消費税減税の法案には強い抵抗はせず、別の争点を作った方が安全だ。しかも、今回は、格好のテーマがある。それが、「皇室典範再改正」である。女性・女系天皇を認める、わかりやすく言えば、「愛子さまに天皇になる資格を持ってもらうための法案」、略して「愛子さま法案」を提出して、それを徹底的に争点として戦うのだ。

 これは、国民の望むことである一方、高市首相が最も嫌がるテーマだ。参議院なら、審議入りできるかもしれない。その過程で高市首相の失言が出る可能性もある。国会外で、それを支援する集会を連続的に開き、全国にその波を広げる。高市首相が抵抗すればするほど、その炎の海が燃え広がっていくという図式を作るのだ。

 若者と女性の声がどんどん大きくなれば、その中から、これまで政治の世界にいなかった有能な人材が出てくることも期待できる。そうした人たちを集めて新たな政治グループを作れば、既存の政治家のグループよりもはるかに求心力を持つ集団になるかもしれない。チームみらいが出てきた時を思い起こせばよい。いわば「チームリベラルみらい」の登場を待つということだ。

 それらのグループとゴリラ、自民良識派、吉田氏らリベラル派の別のグループが支持を拡大していって、将来的には新たなリベラル****に合流するということもあるかもしれない。

 いつも夢がないという結論で終わることが多いリベラル勢力の人々との会話だが、これからは少しだけ夢を語る材料をゴリラが与えてくれた。

 あとは、若者と女性のグループの台頭を待ちそれを支援する。我々市民はその準備を始めた方がよいかもしれない。


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