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戦争で勝利したイランがホルムズ海峡を管理、米国の目はマラッカ海峡へ《櫻井ジャーナル》 - 七転八起 Shichitenhakki

2026/06/18 (Thu) 15:10:22

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202606180000/





 イランとアメリカは6月19日、覚書(MoU)に署名する予定で、その後、最終合意を目指しいて交渉するのだという。いくつかのメディアが覚書の内容だと伝えている文書の正確さは不明だが、概ね正しいとするならば、これはアメリカが敗北を認めた内容だ。

 アル-アラビーヤ​​などによると、まずレバノンを含むすべての戦線における戦争を即時かつ恒久的に終結させることを宣言とされ、またイランとアメリカは互いの主権と領土保全を尊重し、互いの内政に干渉しないことを約束するとされている。イランのアッバス・アラグチ外相はレバノンでの戦争終結を地域全体の戦争終結に不可欠な要素だと指摘、戦争の完全終結にはイスラエル軍の撤退が必要だとしている。

 海上封鎖に関しては、署名の直後にアメリカは封鎖を解除し、イランはホルムズ海峡の航行を元の水準まで30日以内に戻す。イランは核兵器を決して製造しないことを改めて表明すると同時に、これまで行ってきた核開発は維持するともされている。またアメリカは最終合意から30日以内に周辺地域から軍隊を撤退させるとも約束しているようで、これが事実なら西アジアにおける軍事バランスは大きく変化する。

 アメリカが3000億ドル以上のイラン向け投資ファンドを支援すると伝えられているが、フランスで開催されたG7サミットに出席したドナルド・トランプ米大統領はその報道を事実無根だと否定した。

 アメリカが凍結したイランの資産240億ドルを60日間の交渉期間中に返還することが求められ、そのうち120億ドルは交渉が始まる前にイランへ返されるとされているが、これを否定する声がアメリカ政府の内部から聞こえてくる。この受け渡しについては、ペルシャ湾岸諸国が仲介役になるとも言われているが、真偽は不明だ。

 イスラエルやイスラエルを支援する欧米の私的権力(シオニスト)は西アジア支配の野望を捨てることはないだろうが、原油の生産やホルムズ海峡の航行が復活する道筋は見えてきた。そこで注目されているのがマラッカ海峡であり、周辺国のインドネシア、マレーシア、シンガポールである。

 第2次世界大戦後の1955年の総選挙と57年の地方選挙でスカルノの国民党とインドネシア共産党(PKI)が勝利、成立したスカルノ政権は外国資産の国有化を開始。それに対し、CIAは1957年秋からフランク・ウィズナーを中心とし、イスラム教徒を使って秘密工作を始める。この工作で沖縄は訓練基地や兵站基地として重要な役割を果たした。(William Blum, “The CIA”, Zed Books, 1986)

 インドネシアのイスラム教徒は大半がスンニ派だが、サウジアラビアなどからの資金でワッハーブ派が影響力を強めてきたとも言われている。後にアル・カイダ系武装集団の主力になった宗派である。

 CIAから武器を供給された武装勢力がインドネシアで最初に蜂起したのは1958年のことで、スカルノが日本を訪問している時を狙い、決行された。反乱グループの中心は旧貴族階級と地主だが、実行部隊はスマトラ島を拠点としていたインドネシア軍の将校。この蜂起軍はCIAの爆撃機だけでなくアメリカ海軍の潜水艦の支援を受けていたのだが、結局、失敗に終わる。

 そうした中、スカルノは「非同盟外交」を推進、1961年9月にはユーゴスラビアの首都、ベオグラードで第1回非同盟諸国首脳会議を開いている。会議に参加したのはスカルノのほか、インドのJ・ネルー、アラブ連合(エジプト)のガマール・アブデル・ナセル、ガーナのK・エンクルマ、エチオピアのハイレ・セラシエ皇帝たちだ。

 これに対し、アメリカのフォード財団はインドネシア社会を研究、貴族階級出身のインドネシア人をアメリカに留学させて訓練していく。このプロジェクトに協力した大学にはカリフォルニア大学バークレー校、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学、コーネル大学などが含まれていた。こうして育成されたエリートは後に「バークレー・ボーイズ」とか「バークレー・マフィア」と呼ばれているようになり、ケンタッキー大学の「制度改革計画」やCIAの指導力養成留学生計画などで訓練された学生とともにスカルノ打倒の中核部隊になった。

 ジョン・F・ケネディ大統領暗殺を受けて大統領に就任したリンドン・ジョンソンは1965年2月から北ベトナムに対する大々的な爆撃を開始、その7カ月後の9月30日にインドネシアでは小集団の若手将校が6名の将軍を誘拐のうえ殺害、ジャカルタの主要箇所を占拠するという出来事が引き起こされた。若手将校は放送の中で自分たちをCIAの支援を受けている反乱軍の一部だと主張、スカルノから権力を奪取すると宣言したのだが、この混乱を利用して反スカルノ派のスハルト将軍が率いる軍隊が若手将校たちを制圧、そして親米派による大量虐殺が始まった。

 このときインドネシアのアメリカ大使館は反スカルノ派の武装グループへ、全て、あるいはほぼ全ての共産党員が記載された名簿を渡したと言われている。翌年の3月にスカルノは排除されて親アメリカ派の政権が出来上がるが、この間、犠牲になった人数は推計30万から200万人。

 この虐殺にはバラク・オバマの義理の父親であるロロ・ソエトロも軍人として参加していたと言われている。1967年10月にオバマは母親とインドネシアへ移動、ソエトロは後にモービル石油の幹部になる。(Jeremy Kuzmarov, “A Company Family: The Untold History of Obama and the CIA,” CovertAction, October 1, 2021)

 現在、アメリカの情報機関はインドネシアを含む東南アジアで秘密工作を展開、体制転覆を目論んでいる。


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