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〈本音のコラム〉再審法と市民運動 鎌田慧(ルポライター):東京新聞デジタル - 七転八起 Shichitenhakki

2026/06/17 (Wed) 11:43:19

https://www.tokyo-np.co.jp/article/495235?rct=honne_column





 1年2カ月前、わたしはこの欄で「再審法」改正で証拠の全面開示と検察官の不服申し立ての全面禁止を決定した、と書いた。4月1日、エープリルフールの願いだった。その3週間前、「狭山事件」の石川一雄さんが、62年間、無実を訴え続けながら急逝した。再審開始の朗報を聞けないままの無念の死だった。
 再審制度を見直す刑事訴訟法改正案で、最大の問題だった検事抗告は「全面禁止」ではなく「原則禁止」とされた。その違いは「十分な根拠がある」と検察官が判断した場合には抗告できる、との抜け穴の設置である。
 もう一つの課題である、検察官が入手し、保管する「証拠」を再審請求者に「全面開示」する、は再審請求理由に関係するものだけに、と限定された。
 さらにそれ以外にも冤罪(えんざい)者への支援運動や報道に使用することには規制を強め、違反は罰金刑とする、との改悪である。これは袴田事件で敗退した検察側の総括の結果とも言える。しかし「附帯決議」には、弁明っぽく書き加えられている。
 「誤判による有罪判決を未然に防止し、冤罪被害者を生まない刑事司法を実現していくためには、通常審における適切な証拠開示制度が必要不可欠であり、その運用状況を踏まえつつ、不断の検討を行っていくこと」。これを厳格に実行させて、道を拓(ひら)いていこう。


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